河野 順子│白百合女子大学人間総合学部初等教育学科

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2018年6月23日

 日本国語教育学会の関西集会が山口大学で開催されました。私は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」の分科会の助言を担当させていただきました。
 「話すこと・聞くこと」では、山口大学付属小学校の主幹教諭の先生が、質問力を基軸とした応答を大切にした取り組みをされました。先生の取り組みの特徴はコンテンツベースの学力としての知識・技能の育成を、コンピテンシーベースの学力としての「根拠」「理由付け」「主張」の三点の思考力で育てようとしているところでした。今日的な取り組みであると思いました。根拠と理由付けの連関、理由付けを体験と結びつけるというような工夫の継続がなされていくことを期待しています。
 「書くこと」の分科会では、「読むこと」の教材での学習を「書くこと」に連関させる取り組みが行われていました。ともすると、「序論」「本論」「結論」という形式的な構成の概念的知識を与えればそれで子どもたちは書くことができると考えられがちな作文指導に、読むことの学習で、結論と本論との事例とその論理構成の関係などを活用した授業を工夫されることによって、子どもの側からの学びを実現されていらっしゃいました。これは、実はメタ認知的知識の「手続き的知識」を生かしたご授業の工夫だったのです。この「メタ認知」もコンピテンシーベースの学力として教科横断型の育てたい力となります。8月5日の日本国語教育学会でのワークショップではこのメタ認知の育成をわかりやすく先生方と学び合っていきたいと思っております。

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