河野 順子│白百合女子大学人間総合学部初等教育学科

HOME

「玉名市立大野小学校において、指導助言を行いました。」

玉名市立大野小学校において、熊本県教育委員会マイスター教員(国語)高山裕子先生の御授業2年「お話のさくしゃになろう」の指導助言を行いました。

 高山先生の御授業はいつもながら児童によりそった丁寧な授業デザインによる対話型授業が展開されました。単元を貫く言語活動が「作者になって『世界に一つだけのお話』を図書室にプレゼントしよう」と設定されています。高山先生の授業では、子どもたちがやってみたい、やってみよう、やれそうという子どもの側から意欲が沸き立ってくるような言語活動が工夫されています。授業のはじめに、図書室の先生からのお手紙を紹介して、図書室の先生が、みんなのプレゼントを待っているよと働きかけます。子どもたちはもうやる気満々です。本時授業のめあては、「わくわくする書き出しを書こう」と設定されました。「はじめに」のところを書くのです。ここで、教師には、育てるべき基礎的・基本的な知識・技能(教科内容…@設定(どんな人物が、どのように登場するのか)を捉えて書くことができる。A「はじめ・中・おわり」のまとまりのあるお話を書くことができる。)が明確に把握されています。この育てるべき知識・技能へ向けて、次のような手立てがなされていました。
 @モデル文を比較してどの書き方が良いかを考えさせる。これは教科書にも載っています。しかし、高山先生は、このモデル文に加えて、よくない書き方のモデル文を独自に与えて、子どもたちを揺さぶりました。この揺さぶりによって、書き出しには、「誰が」「どのように」出てくるのかを書かなくてはいけないんだと言うことを子どもたちに実感させました。
 A前に学んだ「スイミー」の書き出しを比べることができるように、環境デザインとして「スイミー」で学習した板書を掲示していました。その掲示を用いて子どもたちは「スイミー」と比べて「スイミーには」「スイミー」という登場人物のことが書かれてあり、スイミーは泳ぐことが速いというスイミーの自慢が書かれてあるので、人物の紹介とその自慢を書いているモデル文の書き方の良さを「スイミー」の本文(根拠)を理由付ての良さを論理的に説明していきました。このような論理的な表現が二年生段階として確かに育っているので、他の子どもが「同じところからです。」「私は違うところからです。」と根拠を捉えながら話し合いを深めていくことができるのです。
 B書き終わったら見直しカードを使ったり、真ん中のスペースに集まって、そこで自由な対話を始めていた。その対話の質の高さに高山先生の日頃のきめ細やかな指導を見た思いがしました。子どもたちは、句読点の書き方、表記の間違いだけではなく、光る言葉を付け加え合っていたのです。
 Cみんなでの意見交流も根拠をもとに理由付けする子どもの発言が光っていました。
 D振り返りが指導と評価の一体化として働いていました。振り返りの評価でよく見かける評価に、先生が評価項目を書いて子どもたちは○×を書き入れるものがあります。しかし、高山先生は、子どもたちに自分の言葉で振り返りをさせていました。指導目標に向けて明確に何を学ぶかが子どもたちに意識されていたので、その振り返りの言葉は子どもたちの学びをよく反映した意味のある記述となっていました。



《開催情報一覧へ戻る》

このページの先頭へ